日本の既成宗教、新宗教を含めてのあらゆる宗教は、移民が始まった1908年以来、ブラジルの伝統的・支配的文化に対抗して同国に築かれた東洋宗教発展の願いとブラジルにおける日本宗教の宣教活動に起因する影響を受ける中で、多文化にして多民族、それに極めて寛容なブラジルの社会に、各々自らの進むべき道を見つけてきました。
その存在が時間的にも数量的にも際立っているに関わらず、ブラジルにおける組織と信徒に関して言えば、日本の宗教はこれまでブラジル内外の宗教アカデミーや研究者らの耳目を散発的に集めるに過ぎませんでした。これからは、とりわけ比較宗教学の視点、言い換えれば、ある社会に存在するあらゆる宗教の体系学的研究の観点からそれを克服することが望まれます。またこうした事実は(とりわけカトリシズムにおいて)歴史的に「優性」と見なされるか、もしくは(アフロ・ブラジル宗教やカルデシズムなど)紛れもなくブラジルのものとされる宗教現象に主な焦点を当てたブラジルの研究活動を見れば、より明らかなことです。
今回の国際会議は、ブラジルにおける日本宗教の体系的研究の欠陥、及びこうしたテーマに関心を持ちその調査に携わる海外の研究者とブラジル国内アカデミーとの定期的な学術交流の不足を補うという点で非常に意義深いものです。
また本年がブラジル日本移民100周年、加えてPUC/SP(サンパウロ・カトリック大学)宗教学科設立30周年を祝う歴史的な年であることも、文化的影響に関する研究の範囲拡大に寄与する今回の国際会議「日本の精神的遺産INブラジル-1908年以来の宗教移植の実態と文化順応」実現の追い風となりました。